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Invention No.1 G dur

15.Invention No.1 G dur

今回のアルバム最後を飾るこの曲は、M1”fools singing poetry for all love”で流れていたピアノ、そのソロです。もともとはこのピアノのソロ曲に歌やその他を加えてM1が出来上がっているので、作った順番としてはこちらが先になります。そしてM1の解説でも述べた通り、バロック(主にバッハ)を参照して作りました。もっといえば、グレン・グールドのバッハを取り上げているのですが、これはお好きな方であればすぐにお分かりになったことでしょう。

ト長調から属調、平行調へと様式美に則り転調していきます。それぞれの旋律は対位法的に配置されていますが、これは非常に大変な作業でした。バッハに倣って、またグールドに倣って何度も試行錯誤したことを覚えています。一方で、それを繰り返すのはとても満ち足りた時間でもありました。メロディーが、どのように流れるか、どちらへ行きたいか、何を歌っているか、耳を澄ましている時には、知らない世界を垣間見たような気になったものです。

この曲は、今回のアルバム中最も美しい曲だと私は思っています。この曲でアルバムを終われることは本当に嬉しいことです。

音楽活動とは、大きく分けて作曲すること、演奏すること、鑑賞することすなわち聴くことです。つまり私たちは日頃から音楽活動を行っていて、それは人生においてこれからも続いていくわけです。皆さんは普段から様々な形、場面で音楽を聴いていることでしょう。できればその時、どんな音楽を聴いていても、またどのように聴いていても、音楽への尊敬を持っていただきたい。そしてもしよければ音楽を鑑賞するための時間を用意して、没頭してみてください。そうすればきっと、それはあなたにとって他では変えがたい素晴らしい体験になるはずです。願わくは、皆さんの音楽活動が素晴らしいものになりますように。

さて、ここまで色々なことを書きましたが、このライナーノーツも今回で終了となります。15曲分、大変長文になってしまいました。ここまで読んで下さったことに心からの感謝を申し上げます。

ちなみにここまでの合計文字数はおよそ15700文字となりました。短編小説か、あるいは大学の卒業論文程度の長さということになりますね。いかがでしたか、楽しんでいただけたでしょうか。

色々な曲と色々なストーリーがあり、思い出もありました。それらを思い返しながらここまで書いてみて…大変でしたが…とても楽しかったです。反省点は、なにごとも張り切りすぎはよくないということと、エンターキーが利かなくなったキーボードを早く買い換えるべきだったということです。

それでは、名残惜しくもありますが、どのような形であれ皆さんと出会えたことに感謝し、音楽への尊敬を持って、このライナーノーツを終えたいと思います。案内人はthe perfect me西村匠(本人)でした。またお会いしましょう。ありがとうございました!

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