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DJ 魔界村'S BEST SELECTION 陀武lounge

今回、陀武lounge〜第三次暗黒大戦 かげとらvs魔界村〜を開催するに当り、同志魔界村に彼のDJ人生に於いて、特に影響を与えてアルバムを数枚紹介頂きました。

トランス、アシッドジャズ、ダブステップとジャンルと時を超えて彼の心に鳴り続けるベストセレクションを彼のレビューと共にここに記す。

TANGERINE DREAM/PHAEDRA

(故)フローゼ・バウマン・フランケという3人のメンバーが揃っていた時期こそ、Tangerine Dreamの黄金時代と呼ぶに相応しいのではないかと思いますが、その3人による初のアルバムにして通産5作目の今作こそ、個人的には最重要。詩人ウイリアム・ブレイクの作品や、神秘主義などにテーマを求め、ムーグ・シンセサイザーの丸みと艶を帯びた音の感触によるシーケンスがもたらすうねりを効果的に使うことで、その幻視的な世界への没入度を高めています。90年以降のトランス・シーンへの影響力も絶大で、特に本国ドイツでの作品に、このアルバムのエッセンスが散見できます。

the amalgamation of soundz/the amalgamation of soundz

アシッド・ジャズのブームが収束していく時期に投下された特大の良作。ドラム&ベースやハウスなどのジャンルから着想を得たリリースが多かったFilterレーベルからのアルバムだけに、やはりクラブ・プレイに耐えうる内容でありながらも、一つ一つが楽曲として高水準です。当然ながらプログラミングやサンプリングが多用されているのですが、生演奏とのコラージュ・バランスも絶妙で違和感がなく両者が混在。湿度と冷気を帯びた音響も心地よく耳に馴染みます。咽び泣くようなアルト・サックスの郷愁が、とめどなく押し寄せる名曲『Hut』のオリジナルが収録された日本盤が特にお薦め。

Bluchel&Vondeylun/Mare Stellaris

90sにベルリン・トランスの貴公子の名に恥じない活躍を見せたCosmic Babyと、00s以降のジャーマン・トランス・シーンで頭角を表してきたSchillerによるユニットBluchel & Von Deylenによる2作目にして最終作。両者ともクラシック音楽の素養ある鍵盤楽器の演奏者だけに、その経験を生かして産み出されたメロディラインの流麗さには、狂おしく心を揺さぶるものを感じます。1作目こそErik SatieやPhilip Glassなどの現代音楽をカヴァーした内容でしたが、本作はCosmic Babyが得意とする宇宙をモチーフにした、彼の1stアルバム『Stellar Supreme』の2004年版と云った内容。トランスというよりもアンビエントの要素が強く出ているアルバムではありますが、トランスの隠れた名曲“M83”のただならぬ寂寥感に、かのベルリン・トランスの貴公子の再来を見る人も多い筈。

Shackleton&Ernesto Tomashini/Devotional Songs

最近聴いたアルバムの中でも、衝撃度が半端でなかった作を挙げるなら、文句なく本作です。元々はSkull Discoを運営し、トライバルビートを散りばめた曲によりダブステップのシーンで異彩を放つ存在の彼が放った、まるでプログレッシブ・ロック・アルバムかと見紛うような長尺が4曲収録された作品。まるで現在に蘇ったPopol Vuhの『Affenstunde』か、とでも云いたくなるものがあります。ダブステップの文脈から、このような大きく逸脱を遂げるようなミュージシャンが出てくると思わなかっただけに、初めてyoutubeにて本作を試聴した時、あまりの衝動に本作を含めて数枚のアルバムを一気に注文してしまったほど。たどたどしく響くシンセサイザーのメロディで精神迷路への彷徨いを促すM2の完成度にやられました。

ジャンルを超えてあらゆるパーティーに出演し、独自の感性を遺憾なく発揮する同志魔界村のベストセレクションは如何でしたか?

同志魔界村曰く、映像的な音、音の情景描写に優れた4枚との事。2月23日開催 陀武lounge〜暗黒大戦 かげとらvs魔界村〜では是非彼の奏でる音楽に耳を傾けて欲しい。

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