3.大雪渓上部 白馬岳の花たち
白馬岳に登るルートの中で一番人気があるのは大雪渓を登るルートだろう。猿倉から1日で頂上までアクセスできるうえに、高山植物も多いからだ。その代わりコースタイムは6時間半、高低差は1,500mある。しかし、大雪渓があるおかげで、夏でも雪渓上は涼しく登ることができる。

白馬尻から大雪渓に取りつく('11年7月)
大雪渓は杓子岳方面から常に落石の可能性がある。クレバスもあるので注意が必要だ。シーズン中、大雪渓上部は人で賑わう。(いずれも’88年8月)
大雪渓を登り切ると、比較的背の高い植物が生える草原に出る。ここは登る時期によって様々な花々を見ることができる。残念ながら僕はその全てを紹介できるほどの回数を登っていないので一部を紹介する。

オニシモツケの群落(’88年8月)
ミソガワソウとその群落(いずれも’88年8月)
ミネウスユキソウ、オオカサモチ、ミヤマハンショウヅル、オタカラコウ、オンタデ(いずれも’88年8月)
花達を愛でながら登っていくと左手に巨岩が見えてくる。この岩の周りは雪解けとともにミヤマキンポウゲの群落が広がる。

大岩を取り囲むようにミヤマキンポウゲの群落が広がる(’91年8月)
このあたりからタカネシオガマやイブキジャコウソウ、イワオウギなどの、岩稜地に生える植物が見られるようになる。稜線はもうすぐだ。
タカネシオガマ、イブキジャコウソウ、イワオウギ(いずれも’88年8月)

白馬岳頂上と白馬山荘(’88年8月)