ナポレオン・ブランデー 歯界展望 : 第49巻 第2号 昭和52年2月

いくつになってもお正月は、やっぱりいいと思う。

ほっとするし、ゆっくりした気持にもなる。朝、昼かまわず酒が呑めるのがいいという人もいる。

近頃は洋酒ばやりで、特に近年はワイン・ブームといわれ、おせち料理で満ち足りて、ブランデーを頂く機会もある。

「いい話が一番の肴」というフランスの諺もなるほどと思い、ブランデーを砥めながらのこと。

今、口にしているブランデーはナポレオン、それもコニャックのナポレオン。

まさしく大文豪のヴィクトル・ユーゴーのいう「不老長寿の霊酒(レリクシル・ド・ロング・ヴィー)」。

コニャック地方の白亜の土壌に生まれたUn Bon vin Blanc (一つの、佳き、白きぶどう酒)から,何世紀に亘る経験を秘伝として、鍛え生まれたコニャックのナポレオン、まことに絶妙結構である。

去年の夏、患者さんの1人が,病状報告の手紙に添えて送って下さった西ドイツの新聞の切り抜きの紙面に、歯槽膿漏に大変効力があるといって宣伝している歯磨き剤があるが、実はこれに効く薬はない。

ひたすらブラッシングするほかはないのである。

ナポレオンは、毎朝つまようじで‥…・、つぎは阿片にひたしておいた歯ブラシで口を清め、しかる後に、磨き粉で歯を磨き、最後に水割りブランデーでゆすいでいた。

このため年間6,000フランで傭っていた歯医者の厄介になったことはなかったというお話。

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