噛む事と唾液の効用 「なぜ噛ませるのか」「なぜ噛むのか」をどのように患者に伝えていくのか

……改善してゆく、つまり社会改革です。それに前向きに努力することで、はじめて社会的健康が得られるということ。

歯医者がですよ! やっている側が病気なんですよ。

不健康なんだ。やっている側がまず健康でなければ、病人を治すなんてな事はチョットおかしな事ですよね。

そのへんのところが一番もとで、まずこっちが精神的にも社会的にも健康でなきゃあいかん、という事。

これはあたりまえの事で、そうすると、くどいようですけれど、噛めるようにしてあげただけではダメ。

そこを十分噛んで、暮らしが定着するように迄が、医者の務めだと。

医者の義務だと、そういうように自分に厳しくオブリゲート(自分に義務を課す)してゆく。

そうすると、有名な人になるということになる。

つまりノブレス、つまり通常「高貴な人、貴族」という意味ですが、この場合はそうではないんです。

つまり社会的に地位の高い人という意味ではなくて、ノブルというのはラテン語で「よく知っている」という意味ですね。

knowが語源で、つまり「知っている」から始まった字なんですから。

よく知っている人が、それだからこそ責任を果たしてゆく、という言葉ですね。

それを実地にやってゆくことになります。

だからどうしても自分に、そのキチッとしたものを持ってなきゃいかんという事になる。

「ノブレス・オブリージュ」noblesse oblige:貴族は義務を負う

他人に多くを求め自らの権利を主張する者⇔自らに多くを求め自分に義務を課す者

で、よく噛ませる。

噛め噛め噛め噛めといってみたって、なんで噛まなきゃいかんのかという事が一番大事、それは歯根膜を健康化してゆくためだという事ではですね、もう一つピンとこない。

もっと有効な事を話してあげなきゃいかん。

それで今度は、噛む事によって唾液がでるんだと。唾液が出ないと消化という事が始まってこない。

つまり消化という事は外から栄養を取り込んで、身体の中へ結構なものを入れて、お金で高いものを買って食べて入れたんだ。

取り入れたんだけれども、それが直通で便になって出てしまっているんでは、全くこれは無駄だと。

無駄をしないために有効にするためには、それから吸収をはじめなければならん。

その吸収というものを始めてゆく、つまり引金、トリガーになるものは何かというと、唾液が出る事だというように話をすること。

唾液が出て初めて吸収がという、その循環をどう説明するかという、その説明の仕方も考えておかなきゃいけませんね。

分かりやすいように素人さんの患者さんに充分判る言葉で分かり易く,いろいろなメデイアを使いながら説明をしてあげて、時間を無駄にしないで、クドクドいうだけではなくて、私のような話し方は下手なんです。

これをもっと上手に話をしてゆくことに務めなきゃならん。

これはやはり教育のひとつのの方法論としての、述べかたという事を勉強するのも大事だと思います。だから教育に携わる先生のベテラン先生におつきあいを願って、いろいろ教えて貰う事が非常に大切だと思います。

それはやはり中学校程度の先生が良いと思う。

中学校小学校が一番大事で、あとは少し変わってきます。

つまり自分で調べて自分で理解するという方向が広がってきますから、つまり中学校へ入ったら字引を引く、高校から上になったら参考書で調べると、レポートにまとめると、そういう事が始まってくるので、理解の仕方という事を、いい方によってということは、中学校と小学校、だからその先生方のほうがベテランなんですね。

そういう人達に教わるというような事も大事な事です。

ということは学校医、学校歯科医になった時に、自分が専門家だというので、仕事をすることだけに行かないで、向こうの専門家から大事をものを頂戴して帰ると、「転んでもただでは起きん」という根性ですよね。

だから学校へ行けば、学校へ行って大事なものを拾って帰るという根性を働かせて、勉強するという事。

これが一番大事だと思いますね。

私は長らくそういうように考えてたんだけれど、未だにあまり上手にならないんですがね。

そこのところに、消化吸収の時には何か一番判りやすいかというと、唾液は、いったいどこから出て来るの?という事ですね。

これはどこか穴が開いていて、つまり唾液腺でという、それで「ダフ」から出て来て、これは出来て出てくると、その出来る元はどこなんやと、さぁコップから出て来るのじゃなくて、そうすると体液・血液の中から絞り出したらば、その分だけ血液・体液の中のそういう液体成分が濃縮されて、足りないようになっているはず、そうするとすぐ補わないと困るから、それじゃ茶碗でお茶を飲んだら、というとこれは間違いなんですね。

それをやるから吸収が悪くなるわけ。つまり唾液で絞り出したら、それを飲み込んだら飲み込んでいく間に、栄養物と一緒になって、という状態の体液を元に戻してゆく。

これが吸収なんですね。

だからまず第一に余計に出して、余計に減しておく。そうすると余計に取り込もうとする。

そして初めて力になって消化力がついてくるわけですよね。消化して吸収されるのがついてくる。

それで今度は、出たものをそのまんま入るんではなくて、出たものに消化したものが乗っかった栄養物を含んだものとして入って来る。

今度は吸収の前のいいものを一緒に取り込んで入ってくるようにする。それが消化ですよね。

その力がまず働いてからでなければ、胃酸から始まっての消化液の力がうまく働いていかない。

それが初めにあって,次々に作用してゆく。

そういうエンザイムというのか酵素というのか、消化液が化学的に働かす力を待っていると、だから初めがなかったらあとの奴が効かんのだ,ということを説明するわけですね。

まあそこで唾液がいったい1日にどれくらい絞り出されてくるのかというと,一升ビンに一杯、1,500 ㎖ぐらい、つまり1升は1,800㎖ですから、酒ビンの1升ビンの、それがチョット8合目ぐらい,それが一番よく出るのは食事の時で、間食をしないということになると、一食につき約3合。

そうするとビールグラスに2杯半、ビールタンブラーに8分目ぐらい入れたのを3杯。

これはいっぺんに飲んだらお腹がダブダブになるほどの量ですよ。それを飲み込むから余計なものが食べられない。

つまり食べる量がセーブされるわけ。

それがなかったら余計に食いすぎるわけ。

だから腹8分目というのは、唾液を十分だして唾液を飲み込めば、自然に腹8分目になる。

唾液をそれだけ充分飲み込むためにはださなきゃいかん。

出すためには噛まなきゃいかん。

一口50回噛んで食べれば、腹8分目で腹一杯になるわけ。

それどころか、食べ物を半分に減らしても「もう要らん」というほど腹が張るということです。お腹一杯になる。

だからよく噛んで噛んで、つまりその限度は,1口50回噛み程度でも食べる量は、半分で腹一杯になって、もう要らんという状態に必ずなります。

でそれは何回やったら癖になるかというと、まず1,000回、1,000回というのは、私は何においても言うんです。

何でも1,000回やったらまず判る。

1,000回やってからでないと「ものを言うな」と「やったという事を一切言うな」と言うんです。

だから1日に1回であれば、3年かかりますよね。365日だから……面壁3年というのは「1日に1回座れ」という事ですよ。

そうすると3年かかっちゃう。だけど1日に3度食うんですよ。

それで3度食うのに何口、口に運ぶか。1週間やったら1,000回になります。

だから1週間とにかく1口50噛みを確実にやる。

一家中の約束をして1週間だけ日曜日から始めて土曜日の晩までやったとしたら、もう1口50回噛みなんてな事を忘れても50回噛んでます。

だからそうやって癖を付けていくわけ。

つまり消化吸収から判り易く始めていって、今度は唾液の中に、まだ消化に携わるアミラーゼがある。

これは多くはデンプン質のものに作用する、なんてな事を言っても言わないでも構いませんが、アミラーゼという消化酵素があって、というだけぐらいでいいでしょう。

アゼラーゼも言わないでもいい。

消化酵素が入っているから50回噛む。

50回噛む時間は何分かかるか。落ち着いてかめば、1回を約1秒と考えると50秒かかる。

30秒以上、口の中で唾液に食物を混ぜ合わせていけば、次ぎの一番大事な発癌物質が、いろんな農薬だとか、永くキレイに見せるための添加物だとか、つまりネギは青いまま、ミカンの黄色は黄色いまま、そういうような色付けだとか、又しなびないようにコーテングするだとか、色々あります。大根だってみんなそうです。

それが身体の中に入ると、つまり発癌性の物質が絶えず入って来る。

それを無毒にしてゆく。口の中に30秒間、混ぜ合わせてゆけば、多くの発癌性物質は無毒になる。

そういうラクトペルオキシターゼと言うのが入っているというのが、同志社の西岡一さんの説ですね。

まあ発見というのか。だからどうしても30秒つまり30回噛めという事を西岡さんはいろんな処へ書いていますね。

知らないのは歯医者だけみたいなもので、相手の方がよう読んでいる、というのでは困っちゃうわけ。

だからそれはまあしっかりした話をする。

それからまた歯槽膿漏だとか歯肉炎だとかというようなことを話すということで来ている時であれば、歯槽膿漏だとか歯肉炎は感染というのも手伝っているとう事になると、感染をさせないように唾液の中でチャンと唾液の中にリゾチームというものが含まれていて、それで特に球菌なんですけれども、それにはちょっと力が弱いんですけれども、

そういうのも含まれていて変なものが入って来た時に、感染するのを防いでいるという感染防止のための薬物というか、大事な力を持っているものも含まれているんだと。

それだけではなしに、やっぱり噛めば噛むほど味が出るとか「噛めばなんとか」と色々言われているでしょう。

どんなものでもよく噛んで食べると、美味しいという味覚を発達させるというか、味覚を呼び覚ますというか、そういう力をもっているガスチンというものが含まれている。

だから噛めば噛むほど美味しくなるガスチンが入っているという事ですね。

それからもう一つは、むし歯予防のためにもなるんだと。

むし歯予防のためになるというのは、むし歯というのは歯が溶けて穴があいてというようなもの。

今度は、その逆作用が、つまり唾液が触れることによって唾液の中のタンパク質がまず歯面にへばりついて、それでペリクルとして結集されて来る。

アクワイアード・ペリクルという状態になるわけですね。

その中に今度はもう一遍、溶けたところに唾液の中のカルシウムがへばりついて修復して、溶けたところにまたアパタイトとしてへばりついて表面から治してゆく力を待っている。

そういう酵素がスタテリンというエナメルの、アパタイト化する酵素とでもいいますかね。

スタテリンが入っているということですね。

これで6つお話したと思うんです。

アミラーゼ、リゾチーム、ムチン、ラクトペルオキシターゼ、ガスチン、ステタリンとお話しましたね。

このくらいはやはり話してやればいいと思いますね。(ムチンは?)

それからもう一つ、今度は治療に役立つと、つまり治りが早いと。

つまりよく噛んで唾液が出てくることのために、口の中の膿漏でやられたその組織が回復してゆくのが非常に早く回復すると。

噛まないでいると治りが悪いと、治らんと。そういう話をする。

あんた治しに来ているんだけれど、薬を塗れば余計に悪くなると、刺激のために。

それよりも自分の力のために、自分の力で治ってゆく力を持っているんだと、それがあんたには欠けているんだと。

治ってゆく力はどこで出てくるかというと、唾液で出てくるんだよ。

だから他よりも口の中の傷は早く治るでしょう。或いは犬は傷を舐めて治すでしょうと。それでお母さんの唾はと言って、転んだ時にヒザ小僧擦ったらツバをつけて「治れ、治れ」と言うでしょう。

そういうツバの力があると。

これは一体どういう力なのかというと、これがスタンレー・コーエンという人が見つけたエピデルマール・グロス・ファクターと書いて下さい。

エピは上、デルマールは皮膚,エピデルマールは上皮。デルマール・デルマー皮膚科の事をデルマーと言いますね。皮膚つまりエピデルマール上皮ですね。

上皮を生成してゆく、作りあげてゆく、グロース・ファクター。

これが唾液腺から唾液の中に含まれて、生成されても口の中には出て来ないんですよ。

口腔の中に出てくる道中途中から再吸収されてしまって、だからこれはホルモンなんです。そういうホルモンが見つかってます。

もう一つ、昨日話した頭が良くなるという事ですね。これは神経です。

ネーブ神経のグロース・ファクター。ネーブ・グロース・ファクター。略してネーブのN、グロースファクターのG、ファクターのF。 N・G・F。

それからエピデルマール・グロース・ファクターは、それを略すと、E・G・F。そのE・G・Fのほうはスタンレー・コーエンという人。

ネーブ・グロース・ファクターというのは、イタリアの女のおばあちゃんで、僕より1つ下だから今82、3歳だろうと思います。

レヴィー・モンタルチーニという人です。

その人が確立してしました。見つけた。アヤフヤではなしに、はっきり学会で認められた。

この二人がこの発見・確立のためにノーベル賞を貰ったのが何年だったかな。確か間違いなく・・・。 そこに書いていると思うんだけれど、8年前だったか。

何年ですか。(平井の声:1986年です)1986年。これが確かです。

その2つがどうです。

あるからこそ、それはホルモンとして身体の中に入って、血行に乗って、身体の隅々で、それで傷がある処へそれがパッーと集まって傷を治してゆくんです。

だからそれが少なければ傷の治りが遅いんですよ。治らんのだ。

だから歯茎の傷を治すんだったら、噛んだら治るんですよ。

極端に言えばね、噛まなきゃ治らんのだ。

だからしっかり噛ますんですよ。50回噛まさなきぁ。

そのために痛く無いようにするのが歯医者の役目なんだ。

だから腰が痛くても痛いところを治してゆくためには、神経を治してゆく。それと組織を治してゆく。

両方が唾液でしょう。

それが分かったんだから、その1986年にノーベル賞を貰うほどはっきり分かったんから、これはもう確実なんだ。

だからいまはっきり間違いなく噛まなきぁ治らんという事ですよ。

で噛まさないで、それを言わないでブラッシング、擦れ擦れというたら、皮をめくって悪くするだけじゃないの。

だからその2つをちゃんと理由を述べて分からせるために、歯医者は歯の痛いところを治すんですよ。

だからその目的をキチッと、そしてそれをいうのが歯医者の役目だというその義務だと、義務づけてゆく。

オブリゲートしてゆく。自分にきっちり持つ。それで最後に勝利は自分のものになる。

そういう事ですね。

つまり噛むという事、つまり痛くないように歯を治してやるということなんです。

それが歯医者という使命なんです。

それの相棒として働いているのが歯科衛生士。

歯ブラシ屋と歯磨き剤屋のお先棒を担いで働いている、そんなミミッチイものとは違うんだから、そこのところをはっきり頭に入れて置くことですね。

第23回 片山歯研セミナー(箱根会場) 後半4日目(H5. 6.13)から

Noblesse oblige:貴族は義務を負う
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