下手な道具選び

「イギリスの作家の言葉に、『美しい顔が推薦状であるならば,美しい心は信用状だ』というのがある」との書き出しで「外観の美しさは推薦状、基礎工事の良さは信用状」というように建物の場合を云々する時評が眼についた。

近頃のわれわれの仕事、そのなかで開業費の高騰が大きな運営の重荷となっていることがいわれている。

しかし、そうはいうものの、新しく開業しようとする人はできるだけ立派な外観をもつ待合室、治療室を設備しようとする。

それが美しい顔であり、推薦状であると考えるからであろうことはまちがいないであろう。

しかし、美しい心であるかどうかはなんともいえない。おそらく金利あるいは返済のことは常時、心の重荷となっているはずだし、それが仕事にかかわらないとは決していえないであろう。

たとえ美しい心の持主であったとしても、その美しさはこのことによってひどく汚されるはず。

だのに、なんとかの理由を設けて、ほとんどの人が美しく装うことを止めないのは、このことが推薦状であることに疑いをもたず、また心の醜さは見抜けないことに疑いをもたないからではなかろうか。

しかし、そうだといえるだろうか。患者はなにをおいてもその人の心の美しさを見極めようとしている。

腕のたしかさを見定めようと、かかっていることはまちがいない。

そこで謬 下手の道具選び、薮医者の薬箱かざりという言葉のあることを思い出した。

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