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2020年撮影のガイドライン 新型コロナウイルスの影響を受けて

映画、ドラマ、CMなどの撮影にかかわるスタッフ、クライアント、外注業者、そして全員の家族の安全・健康が第一に優先される必要があります。それを確実に実現するために、以下のような条件を各プロダクションがガイドラインとして設定する必要があります。

以下のリストされている条件は、決して法的に拘束力を持つものではありませんし、また、すべての撮影環境、メディアに適応できるものでもありません。各プロダクションがその状況に応じて独自の基準を設定する必要がありますが、以下のリストがその作業の手助けになればよいと思います。以下のリストはアメリカのCDC(疾病予防管理センター)のガイドラインに基づいて、アメリカのCMプロダクションユニオンが作成したものです(原文)。美術部に関連する部分だけ抜粋しています。

全体的なこと

  • 撮影スタッフは必要最小限にとどめる
  • スタッフ全員が頻繁に手洗いを実践すること(誰の例外もなく)
  • 水やハンドソープ、石鹸がない場合は、アルコール含有量60パーセント以上のサニタイザーを使用する
  • 体調が悪いスタッフは出勤させない
  • 症状がないかをスタッフ自身がきちんを自分で確認し、各部署の親方・リーフに報告すること
  • 各親方は制作部にスタッフの状況を報告する
  • 同時にセットに入れるのは一つの部署に限る。一つの部署が作業を終えてから、次の部署がセットに入る
  • セキやくしゃみなどの際は、口を覆う
  • ティッシュを使用し、使用後はきちんとゴミ箱に捨てる
  • 人と人との間に2メートル以上の距離をとる(できるかぎり)
  • 2メートルの距離を保てない場合は、マスクの着用を義務付ける
  • 各スタッフ、マスクを持参するよう促す
  • 手袋、眼鏡、フェイスシールド、マスク、指サックなどの防護用品を使用すること。ゴム手袋よりも指サックの方が、ごみの量が減らせます
  • 以上のような防護用品は、常に破れたりしていないかを確認し、破れている場合は速やかに交換する
  • ゴミになった防護用品はきちんと捨てて、その際に他者に感染するリスクのないようにする
  • 指よりも肘を使うことを心がける
  • 一つのものに触れる人の人数を最小限にとどめる
  • 他人の携帯電話や、他人のパソコンなどを使わない
  • 身の回りの清潔維持に努める
  • 各スタッフに、こまめに身の回りのふき掃除を実践するように促す
  • 人が列を作る必要がある場合は、2メートル間隔に床に印をつける
  • 撮影前の準備段階で、スタッフ同士のコミュニケーションをとり、不測の自体が起こらないように心がける
  • 家からリモートで働けるスタッフがいかいか、検討する。
  • ペンの貸し借りはしない
  • 現金のやりとりを減らす(仮払いなど)
  • 人にものを渡すときは、手渡しせずに、一度置いて、それを取ってもらう

プロダクション・控室

  • 窓やドアはできるだけ開けておいて、換気を心がける。常に開けておけない場合は、定期的に開けることを心がける
  • 人の出入りをできるだけ制限する
  • 出前や届け物がある際は、建物の外で受け取る
  • 廊下や人が通るところは一方通行にするか、左側通行にする
  • 食事やケータリングの提供の仕方に気を遣う
  • 使い捨て紙皿やコップを使用する
  • 電気のスイッチの操作、エアコンの操作をする人を一人に制限する
  • ティッシュ、消毒液などをあらゆる場所に配置する
  • 人が触るような装飾品を持ち込まない
  • プリンタ・スキャナは、できるだけスタッフ自身の持ち物を使用する
  • 車の移動を他人に頼まない
  • シュレッダーは、ゴミを中に入れたら、取り出せないものを使用する
  • 固定電話は使用せず、各自の携帯電話を使用する
  • トイレでは、センサー感知式の水流し、ハンドソープ、手乾燥機などをできる限り使用する
  • 各種リモコンを清潔に保つ

書類

  • タイムカードはオンラインのものを使用する。直近で対応できない場合、できるだけ事前に記入したタイムカードを使用する。
  • 仮払い金、領収書類、契約書、貸出明細の取り扱いには注意する。

機材の取り扱いに関して

  • 手袋を使用し、手袋もこまめに取り換える
  • 休憩時間中などに、機材の消毒をおこなう。
  • 複数のスタッフが同じ機材を触れないようにする。必要であれば機材の数を増やす。
  • 誰がどの機材を取り扱ったかを記憶し、同じ人が同じ機材に触れるようにする。

スケジュール、スタッフィング

  • 今までよりも作業に期間がかかることを認識する。
  • 撮影日を少なくするように努力する。
  • 各部署の入り時間を分ける。
  • セットに入るのは一度に一部署に限る。
  • 前日建て込み、前日照明作業を心がける。
  • スタッフの数が限られるので、作業は遅くなりがちです。早めに、「今日中に撮りきろう」という思いは捨てる。
  • 一人のスタッフが作品を通して関わるようにする。ほかの人に途中で交代することを少なくする。

ロケハン

  • 早めにロケハンをスケジュールする。
  • 配布書類はメールにて配布する
  • クルーはできるだけ自走する。
  • ロケバスに乗っている際は、マスクを着用し、手袋をする。できるだけ複数のバンをレンタルして、座席に余裕をもって座る。
  • ロケ地に付いたら、会話はできるだけ屋外でおこなう。
  • ビデオビレッジ、昼食場、機材置き場などの配置を考える時、できる限りスペースを取り、風通しを良くするように心がける。

PPM

  • できるだけPPMを早めにおこなう。
  • 撮影日での変更を減らすために、PPMで可能な限りの項目を決定する。

ロケーション部

  • 撮影前と撮影後に消毒が必要になるロケーションがある。
  • 消毒液を使用する際は、ロケーションを傷つけないようにする。
  • 近隣からの目に注意する。書類に署名してもらうことは不可能と心得る。
  • ロケ地が使用できなくなった際の、バックアップのロケーションを手配する。
  • ロケーションの所有者に、安全な待機場所を確保する。撮影中には出入りしてもらわないようにする。
  • 昼食場には十分は広さを確保する。
  • センサー感知式のハンドソープディスペンサー、ハンドドライヤーなどを用意する。
  • 水道がないロケ地でも、手洗い場を確保する。
  • 監督やエージェンシーに提案する前に、以上の項目が実現可能かを確認する。
  • ロケ地の目印看板は、一人のスタッフに任せる。
  • 部外者が入ってくることは禁止する。

美術部

  • ロケ地にある者にはできるだけ触れないようにする。
  • ロケ地の所有者に、できるだけ個人的なものは減らしてもらうようにする。
  • 1日にピックアップする場所の数を極力減らす。
  • テックスカウトですべてを決定し、エージェンシーやクライアントからのアプルーバルをきちんととるようにする。
  • 前日仕込み、後日バラシをできるだけ実践する。ロケ地の消毒も行うことに注意する。

トランシーバー

  • トランシーバーは撮影日前日に配布しておく。当日バタバタしないために。
  • 各トランシーバーはビニル袋に入れて配布される。
  • 別の人のトランシーバーは使用しない。
  • 交換用バッテリーは充電前後に消毒し、ビニル袋に入れて保管する。
Created By
tomoya imai
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Credits:

画像を使用した作成者: gnepphoto - "Behind the scenes of silhouette people working in big production studio with professional set and lighting for making movie film or video commercial."