太陽と潮風と雨を浴び、オーガニックで育てたサトウキビを搾り、その甘い搾汁を薪の平窯で焚き詰める。蒸気が立ち昇り、青みのある香りが次第に甘く変わってゆく。
黄緑色をした搾汁は、熱せられることで黄土色や金色銅色に輝く。櫂を休めず、むらなく焚き詰めていく。
白い靄に包まれた窯の中が焚き詰まる直前、水分が無くなり窯底が姿を現す。過ぎれば焦付き、足らねば飴になるほんの数分の間。焦れる気持ちを抑え、ぎりぎりまで堪える。
焚き詰め、丸い窯に移し練っていく。昔、黒糖作りが「さとねり」と呼ばれた由縁がここにまだ息づいているのだ。
練り上げられた黒糖を金型に流し込み、自然のままに固まるのを待つ。無事黒糖になるか、飴のようになってしまうか、風味はどうか。1年かけて育てたサトウキビが報いてくれるかを思う時。
無事固まった。緊張がやっと緩む。
一口頬ばり、目を閉じる。窯ごとに異なる風味、一期一会の味。この黒糖との出会いの瞬間。あぁ、報われたと喜びが湧き上がる。
2020〜2021度は、3つの窯を商品にしました。
2022年度は、004と005、「浜辺の琥珀」と「夏の砂時計」です。
260年続く天草のサトウキビ栽培と黒糖作りを次代に繋ぐため、「天」「糖」からとったamato(アマト)のブランド名で、私たちは最高の黒糖作りを始めました。
What’s MOVA SUGAR?
藻場(MOVA)とは、海藻の森のこと。魚や貝などの餌であり、産卵場所、隠れ家、揺りかごです。また海藻の森は、海の水質の酸化や悪化を防ぎます。藻場を育てることで、イルカが棲む天草の漁師町の海が守られます。
天草市五和町二江の漁業者たちは、数千年続く一本釣りや裸潜(らせん)と言われる素潜り漁の傍ら、海底に海藻を根付きやすくさせ藻場を育てる取り組み、いわば海の植林事業を行い、2019年に農林水産大臣賞を受賞しました。
漁師たちが海の環境活動を行うことで資源の枯渇を防ぎ、海の豊かさを守り、ひいてはイルカウォッチングで賑わうイルカが定住するこの海を持続可能な姿にしているのだと思います。
MOVA SUGARは、そんな漁業者の活動をより多くの方に知って貰うきっかけになること、そして、本体代金の10%を寄付して、藻場造成などの環境活動に寄与することを目的としています。
amatoは、天草市地域おこし協力隊(任期:2021.3まで)の冨山宏士が初めた通詞島サトウキビ復活プロジェクトから生まれた事業です。佐伊津黒砂糖組合と天草のサトウキビや黒糖作りに心を寄せるファンを繋ぎ、地域産業・環境・伝統文化にとって持続可能な取り組みを目指しています。この取り組みは、2020年度 第4回大地の力コンペで138企画の中からグランプリに選ばれました。
販売店一覧
道の駅天草市イルカセンター、総合交流ターミナルユメール、オンラインショップ
メディア紹介一覧
新聞(50音順)朝日新聞、熊本日日新聞(報道、すぱいす、すてきびと)、読売新聞、テレビ(50音順)、RKK熊本放送、天草ケーブルテレビ、NHK日本放送協会、KKT熊本県民テレビ(報道、テレビタミン「あしたをプロデュース」)、TKUテレビ熊本(報道、かたらんね「時間旅行」)、みつばちラジオ
栽培の様子など、近況はインスタグラム又はFacebookページをご覧ください。