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インナー・メッシュの男子水着、穴・サイズに注意! インナーメッシュ付き男の子水着・水遊びパンツを選ぶ前に

【更新情報】

※2021年7月15日、国民生活センターの報道をうけ、部位名を一部表記変更し、注意喚起を更新しました。(例)メッシュ→インナーメッシュ

※2021年7月23日、消費者からの疑問・質問に応え、「”あぶない”を見分ける簡易チェック動画」を作成しました。私たちは「標準化を考える会」は、子ども服に関する疑問・ヒヤリハットなど、あなたの声をお待ちしています。一緒に、考えます。「標準化を考える会」ウェブサイト問合せフォームより、お問い合わせ下さい。

≪この問題に気付いた時系列≫

【最初のきっかけ】

2021年6月末、消費者から問合せが寄せられました。 「息子の水着を探している。内側にメッシュ生地がついていると、安全なのか?」「市販されているメーカーで、インナー、メッシュの網目の細かさや耐久性など、目安があるのか?」と、インナーメッシュ裏地付き男子水着、水遊びパンツについての相談でした。

【調べてみるよ】

あれれ、おかしいな。調べ直してみたところ、「子どもの皮膚は大変柔らかく伸びやすく、インナーのメッシュ部分に、大事なアソコ(陰茎部)が挟まってしまう事故」が複数報告されてあり、製品回収となった事例もありました。

【更に調べるよ】

アソコが挟まるなんて、恐ろしすぎるぞ、そんな傷害リスク。と思ったら、海外の規格規格では、そもそも、「子ども服裏地のメッシュの穴サイズに公的規格」がありました。子ども服のひもの安全規格(JISL4129)の裏付けともなった、BS(ブリティッシュスタンダード)です。

※当該写真は、事故とは全く関係ありません。

【現状確認するよ】

でもでもでもね。日本にはメッシュ大きさの公的基準なく、メーカーの自主基準のみ。しかも調べてみたら、ほんとに危ないかも。。2015年に製品回収もされてるの? なのに、2020年8月に再び、事故情報データバンク出ているの。 これ、知っている人、どのくらいいるのかな。

≪2015年、消費者庁リコール情報サイトより確認>

【以下、過去の事故情報と注意喚起リンクまとめ】

国民生活センターHPでは、2021年7月15日に注意喚起!

男児用水着のインナー生地を確認しましょう-陰茎部の皮膚が挟まり、取れなくなることも-

国民生活センター資料では、2020年8月に事故に遭われた相談者さんが、事故の実画像の掲載を許可されています。子ども自身も、そして大人も辛かっただろう記憶、同じ事故を起こさないように声をあげてくれたこと、無駄にしません。

国民生活センター7月15日発表資料P3 図3より転載
国民生活センター7月15日発表資料P4より転載

2020年8月の事故は最初、「事故情報データバンク」に寄せられていました。

各地の消費生活センターに寄せられた相談を集計・分析している「事故情報データバンク」システム。ここから、過去に同じような事故が繰り返し起きていることも、分かります。

https://www.jikojoho.caa.go.jp/ai-national/accident/list

2020年8月、ネット通販で買った水着での事故。被害者年代は5~9才。

【2006年 NITEの製品安全マガジンで注意喚起】https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2006fy/psm_sp14_121302.html

【2015年 消費者庁から注意喚起・リコール情報サイト、製品回収も】。https://www.recall.caa.go.jp/result/detail.php?rcl=00000012786

2015年消費者庁発表資料(Web公開)より

【2016年 小児科学会の報告書】https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0058.pdf

【これは危ないよ】

2016年に公開されてた小児科学会の報告書、こりゃ、あぶない。想像するだけで、涙目だよ。この情報、どう考えても知っておいたほうが良いよ。※画像注意です。

2016年に公表された、日本小児学会のInjury Alert(傷害速報)

【問題意識を持って動くよ】

ネット販売の画面では確認できない情報もある現状。一般消費者・購入者が、安全な製品とそうじゃない製品を見分けられる方法が知りたい、あれば助かるのだけれどなあ。でも、実際に売られているし、じゃあ手元にあるのは大丈夫なの?と。そりゃ悩むよね。これじゃ、不安になるだけで分からない。(→7/23 メッシュの大きさ調べ、お家にあるもので実験動画を作成しました)

分からないときは、聞いてみよう。そうしよう。

【業界に問合せしたよ】

「どうして、メッシュ裏地付きの水着がまだ売られているのだろう」と日本国内の繊維業界関係者に問い合わせました。すると、『事故原因はインナーメッシュの穴サイズと認識しており、業界として安全対策・自主ガイドラインを設けて対応している』との事。

日本の安全技術って、世界で見てもすごいのです。ちゃんと対応しているメーカーもいるのです。「悪いのは、インナーメッシュじゃない。問題は、その穴・サイズ」なんだ…!

【え、おかしいよ?】

業界内で安全基準がある!、安全に配慮したすごいインナーメッシュ裏もある!、と分かったけど、大手インターネットショッピングモール、ネット通販で、事故リスクがある「少なくともメッシュ穴が空いていることが直ぐ分かる」製品が多数販売されていますけど…。ええ、わっさわっさと。

安全かどうか、消費者が見分ける?今、この瞬間もどう見ても危ないインナー・メッシュ裏地付きの男児水着が売られていますけど。。て、これってどうなの?どうして、このままにするの?

【問題意識をシェアするよ

水着は季節モノ。しかも、このコロナ禍。着られる期間・回数は短くて、ほとんど未使用でサイズアウトもよくある話。だから、上の子のお下がりを保存していたり、ネットで手軽に安く手に入るのは消費者として助かるけど、「安全かそうじゃないか、購入する側が混乱する状態」って、市場としてどうなのよ、と思う。だって、メッシュ穴がどうかなんて、画面越しに分からない。

それ、危なくないかな?大丈夫かな? ※写真はイメージです。

【驚愕の事実だよ】

と…悶々を抱えつつ、そんな矢先の「子ども服の定点観測。某フリマアプリにて、「過去にリコール回収されてた水着が出品」されてるのを発見。

おーい、これ、買っちゃダメ!売っちゃダメ!

<2015年に製品回収されていたはずが>

【まとめ・お願い】

現日本における販売状況では、インナーメッシュ生地付き男児水着を選ぶのは、残念ながらリスクが大きいです。 安全な製品と危ない製品が混在しています。なのに、一般消費者は、それを見分けることができません。

まとめとお願い

パパママの皆さん、子ども服を選ぶ全ての人さん、ネット販売では「実際にメッシュ穴のサイズ・安全を確認できる製品」かどうか、拡大確認してください。

フリマアプリや、お下がりなどの中古品市場では、「過去に危険性が指摘された製品の再流通ではないか」、購入する前に注意してください。裏地の写真が載ってない、そもそも分からない時は、「買わない」が無難です。

【2021年7月24日追記】SNSを中心に、「手元にある水着は安全なの?」と複数の声が届くので、「簡易チェック実験動画」を作成しました。メッシュの穴の明らかな大きさの違いに着目し、混乱を招いている部分に対して、補足説明する意図で作成した実験です。少しでも、消費者の疑問がほどけますように。

事業者さん、アパレルメーカーさん、大手ネット市場さん、NITE・行政・NPO団体、国民生活センターさん、注意喚起してくれる発信元さん、マスコミさん、「この状態を、一緒にどうにかしましょう」。苦情じゃなく、一緒に考えます。調べます。連絡ください。

この商品・仕組みについて知りたい、この製品について、疑問がある。情報をお寄せ下さい。

NACS標準化を考える会では、標準化という手法を使い、製品やサービスなどの安全基準作りに参加し、消費者の声を規格に反映することを目標にしています。一方的なクレームではなく、メーカーや行政に対して消費者の声を届けること、より良い社会の仕組みを考える活動です。

このページは【子ども服の安全性向上プロジェクト】の一環として、消費者から寄せられた疑問・質問に対し、「子ども服の安全と、傷害予防」の視点から調査・公開しました。男子用水着に関する疑問・ヒヤリハットした事例など、消費者からの声をお寄せ下さい。一緒に、考えます。下記HP、問合せフォームより、お寄せ下さい。

【公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)】

NACS標準化を考える会HPはこちら

「安全で、かわいい」子ども服を、皆があたりまえに選べる社会になりますように!

Credits:

画像を使用した作成者: ErikaWittlieb - "swimmer bathing suit swimsuit" • cherylholt - "baby crying infants" • terimakasih0 - "ask sign design" • PublicDomainPictures - "sad child boy" • Tumisu - "online shopping ecommerce buy" • geralt - "contact visit letters"

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