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コーチングセミナー エルサルバドル・コスタリカ

NPO法人柔道教育ソリダリティー

国際担当師範 光本健次

2017年度の海外コーチングセミナーを8月28日〜9月13日まで、中南米エルサルバドルとコスタリカで行った。この2つの国からは毎年、本法人主催の日本(東海大学)で開催しているコーチングセミナーに参加したコーチが現地で指導にあたっている。

日本で指導した教え子たちの様子を見ることが大変楽しみである。

エルサルバドル

エルサルバドルの首都サン・サルバドルの町は標高660m、首都圏の人口は174万人を超える。また、コスタリカのサン・ホセは、コーヒー農園や火山などの山々に囲まれた高原都市である。成田国際空港からメキシコ経由でエルサルバドル・コマラバ国際空港に到着したのは、乗り継ぎの待ち時間も含めると、所用18時間ぐらいになるだろうか?

空港にはエルサルバドル在日本国大使館一等書記官の小谷大介氏と教え子のリチャード君が出迎えてくれた。

エルサルバドルはマラスと呼ばれる武装犯罪集団による強盗、誘拐、店舗襲撃などの凶悪犯罪が首都サン・サルバドルを中心に、国内各地で発生している。日本政府から出されている危険度もレベル2(渡航注意)である。到着から出国まで、大使館と柔道連盟のご配慮により、随時2名の警察官に護衛してもらい、安全で安心な中で実施できた。

セミナーは午前・午後の2回に分け、嘉納師範と柔道の歴史、柔道を通しての国際交流などの講義、基本動作、立技と寝技、護身法、新国際ルールなど、コーチに必要と思われる指導法を4日間行った。

現地ではコーチングセミナーとは別に、リチャード君の街で青少年柔道教室を行なったが、道場は畳ではなく、日本でよく畳の下に引くようなラバーであった。このラバー自体、あちこちがはがれているような状態な物なので、私たちを迎えるために子どもたちが、明方近くまで道場の補修をしてくれていたようである。

リチャード君は地元で柔道指導を行いながら、週末には自分の生徒と共に各地域を周り、家のない子供、親のいない子どもたちに奉仕活動を行なっている。市長も彼のこのような活動を称賛して、市自らリチャード君に柔道場と恵まれない子供たちの宿泊施設を彼に提供している。

彼の夢は柔道を教えながら町議に立候補し、将来は市長になり、自分の住んでいる町の子どもたちが悪い道に進まないように柔道を教育として進めていくことだと語ってくれた。

「私に日本に行くチャンスを与えてくれた山下先生、柔道指導をして頂いた光本先生の教え」

と語ってくれた彼の言葉に思わず嬉しくて涙が出てしまった。彼の夢に大きな期待を持ちながら、次の訪問国、コスタリカへ向かう。

コスタリカ

エルサルバドルからコスタリカまでの飛行時間は2時間程で、フアン・サンタマリア国際空港に到着した。空港には大使館一等書記官の河本秀夫氏と教え子のサンチョ君が出迎えてくれ、そのままコスタリカ在日本大使公邸で樋口和喜大使主催の歓迎夕食会を行なってくれた。

コスタリカでのコーチングセミナーは会場が2つに分かれ、オリンピック委員会の講堂内に仮設の柔道場を設置、もう一つは国立施設内にあるチームの道場で開催した。セミナーには40〜50名のコーチが参加し、夕方の5時から休憩も挟んで9時過ぎまで行い、コーチ陣は熱心に受講してくれた。この模様はテレビ放映や樋口日本大使と共に新聞にも大きく報道された。

先日開催されたブタペスト世界選手権には、コスタリカから2名の選手がエントリーした。試合は両選手共に残念ながら2回戦で敗退した。

この2名の選手は、現在ナショナルチームのコーチをしているサンチョ君の息子で、IOCの奨学金を受け東海大学に留学。2020年の東京オリンピックを目指すことになっている。

コスタリカスポーツ協会も、日本で修行する2人の活躍に大きな期待を寄せている。

コスタリカ最終日には、高校体育館にて少年柔道大会が開催され、多くの観客と子どもたちが出場していた。この大会では、日本柔道のパフォーマンスと少年規定の指導を行った。

約2週間のセミナーであったが、両国における柔道の普及・発展に大きな期待を持てた。

NPO法人柔道教育ソリダリティーの3つのスローガン「柔道・友情・平和」の旗は、ここエルサルバドルとコスタリカでも、大きくたなびいていたことをご報告したい。

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