強度行動障害の理解 スバル・トータルプランニング

■ 強度行動障害とは?

精神的な診断をされるのではなく、直接的他害や間接的他害、自傷行為などが通常では考えられない頻度と形で表され、通常の育て方や、かなりの養育努力をしても難しい状態にある方とされています。知的に重度で、自閉症のある方に多くみられます。

直接的他害(噛み付き、頭突き等)

間接的他害(睡眠の乱れ、同一性の保持等(例えば場所・プログラム・人へのこだわり・多動・飛び出し・器物損壊など))

自傷行為(自分の手を噛む、毛を抜く、顔をたたく等)

強度行動障害という状態は、生まれながらに持っている資質ではなく、その特異な行動の意味を理解できない周囲の不適切な対応により形成されてしまった2次的・3次的障害であり、適切な支援を継続的に行うことで行動障害の軽減が可能である。

■ 強度行動障害が現れる理由

他害行為や自傷行為などが見られる理由には、本人に対し周囲から様々な刺激や情報が入ってくるが、その物事が理解または処理が出来ないことが原因である場合と、物事を伝えたいが上手く伝わらなかったり伝える手段が無いことが主な原因となっています。

物事の考え方や感覚が健常者と違う場合が多く、お互いに理解が難しいという事も理由の一つになります。

そのため、強度行動障害は周囲を困らせたりする行動ではなく、本人が困っていサインであり、合理的な配慮、専門的な支援がなされていないために、その状態になってしまっています。

合理的配慮=障害特性に応じた対応と環境の提供

表出している課題行動だけで判断するのではなく、目に見えない「原因となる部分」を考え、支援することが大切となります。

見えない障がい=対応が分からない

合理的配慮がなされない=心理的虐待、ネグレクト

課題行動には、『本人の特性(苦手な特性)』⇔『環境・状況の影響(苦手を助長する環境)』が関係していることが大いにあります。

支援に入る前に、必ず『日々の生活状況やアセスメントシート』等から情報を収集し、課題行動があったときでも、背景にある障害特性を理解し、支援できるように準備しておいて下さい。

■ 強度行動障害を図る尺度

障害支援区分認定・行動関連項目11項目・医師の意見書による転換発作の頻度の計12項目24点満点の中で、10点以上が著しい行動障害があるとされ、国内に2.5万人おられると推測されています。

行動関連項目には「ひどい自傷」「強い他傷」「激しいこだわり」「激しいもの壊し」「睡眠の大きな乱れ」「食事関係の強い障害」「排泄関係の強い障害」「著しい多動」「著しい騒がしさ」「パニックでひどく指導困難」「粗暴で恐怖感を与え,指導困難」の11項目をそれぞれ1日に何度発生するかなどの頻度から、「1点」「3点」「5点」の3段階で点数化し評価をします。

■ 10点以上の方をさらに分類

タイプ1 不適応行動群(2.5万人)※10点以上

厳密な定義よりもやや穏やかな状態の方を「強度行動障害」として捉えている場合がある。

適切な支援をで生活をサポートしつつ、徐々に支援をフェードアウトしても安定して生活ができる。

タイプ2 行動障害群(8千人程度)※15点以上

適切な支援を相当手厚く提供することで、2~3年後にはかなり安定した生活が可能。ただし専門的な支援は半永久的に必要であり、医療との密な連携も欠かせない。

タイプ3 強度行動障害群(1千人程度)18点以上

先駆的な施設や公的役割の強い精神病院などでも行動改善が極めて困難。

専門的な環境設定や日中活動、個別の療育アプローチを相当集中的に行っても数年単位では行動改善が見られない。医療に強く依存。

『はるにれの里 加藤氏の定義 参照』

■ 見られる行動障害

ひどい自傷

ひどい自傷の項目には「肉が見えたり酷く出血するほどの噛み付き」「頭部が変形するほどの叩き」「爪をはがしてしまう」などが有ります。

強い他傷

強い他傷の項目には「殴る、蹴る、噛み付く、頭突き、目を付くなどで、相手が怪我をしかねない行為をとる」などが有ります。

激しいこだわり

激しいこだわりの項目には「服を脱いでしまったり、移動や外出を拒んでしまうなどの行為で、動作を止めたりすることが非常に困難なもの」となっています。

激しいもの壊し

激しいもの壊しの項目には「ガラスやドアや壁などを壊す、他人のメガネを壊したり服を引き裂いたりする行為で、本人や周囲に影響や危険が大きい行為」となっています。

睡眠の大きな乱れ

睡眠の大きな乱れの項目には「昼夜の逆転」「寝ることが出来ず夜間に人やものに危害を与える」などが有ります。

食事関係の強い障害

食事関係の強い障害の項目には「異食や体に異変を引き起こすほどの偏食」「食べ物を投げる」「テーブルをひっくり返す」などが有ります。

排泄関係の強い障害

排泄関係の強い障害の項目には「便を指でこねる」「便を壁などに擦り付ける」「便を投げる」「強迫的に排泄行動を繰り返す」などが有ります。

著しい多動

著しい多動の項目には「一時も留まることが出来ず常に走り回る」「周りを注意せず飛び出す」「高く危険な場所に登る」などが有ります。

著しい騒がしさ

著しい騒がしさの項目には「周囲が迷惑するほどの大声を出す」「泣き始めると大泣きが何時間も続く」などが有ります。

パニックがひどく指導困難

パニックがひどく指導困難の項目には「パニックになると体力的にも収拾が出来ない状態となる」などが有ります。

すべての強度行動障害の人に、上記の行動がみられる訳ではありません。

■ 衝動行動障害の方への支援方法

① 一貫した対応が可能なチーム体制

② 構造化された環境づくり

③ 医療など他職種との連携

■ 一貫した対応が可能なチーム体制

強度行動障害者に対応する場合には、通常様々な福祉サービスを利用することとなります。

支援の際には、ヒアリングやアセスメントを元に作成した支援内容を組織やグループで共通の理解として認識し、一貫した対応を行う必要が有ります。

その時々により支援方法がバラバラであると、本人が混乱してしまいより強い問題行動へと繋がる恐れも有ります。

■ 構造化された環境づくり

構造化された環境づくりとは、生活環境での問題点を洗い出し問題となる部分を改善していく事です。

例えば音が原因で問題行動が出る場合には「静かな部屋を用意する」「目に付く場所にヘッドホンやイヤーマフを置く」などが有ります。

■ 医療など他職種との連携

強度行動障害者の対応は家族だけでは難しいことがほとんどです。

その為、医師、教師、心理士、言語聴覚士、その他専門家、地域の支援者などとの連携が必要になります。

特に医師との連携は重要で、診療や適切な薬の投与を行うことで問題行動を落ち着かせる事も効果的な対処方法のひとつとなります。

他に、自尊心の尊重も大切なポイントになります。

強度行動障害者の言動に対して、抑制したり押し付けたり批判をすると自尊心を傷つけてしまう事が有ります。

危険や問題の無い限りにおいては本人の意思を尊重することが重要となります。

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