大 寒 波 歯界展望:第49巻 第3号 昭和52年3月

曾てない医療界の混迷の嵐が歯科医療者全員をも巻き込み、ちりぢりに枯れ落そうと吹き荒れている時に、ある大学の同窓会が大学の後援のもとに第2年度の卒後研修セミナーをスタートさせた。

その主題は総合的な視点にたった歯科診療。

従来の歯科医学の細分化された分断教育を横につなぎ合わせ、より効果的な治療成績、すなわち、回復の成果である口腔機能を維持させようというねらいで、熱心に継続進行している様子は誠に頼もしい限りで、さすがに歯科医学に責任を持とうとする大学と、臨床を背負ってたつ気慨を持つ同窓会に満腔の敬意を込めた喝采を贈りたい。

今日のニュースは、ナイヤガラ瀑布の凍結を報ずると同時に、ピーナッツ作りのカーター大統領は室温を下げ、古着の重ね着、厚着をするようにとの誠に寒々しい炉辺談話を伝えた。資源・エネルギーの有限認識が根本の新しいピッチの歯車が回転を始めた。

書き出しの卒後研修セミナーの副題は口腔機能の維持と回復である。

健康な口腔機能の維持は、口腔の健康をどのように定義するかに始まるであろう。

WHOの健康の定義もさることながら、健康は増進されるものといわれ、またその時の社会の要請によって定義づけられるともいわれ、ルネ・デュボス教授のいうように幻想であるかもしれない。

また洋潟久敬教授のいわれるように健康の学は誠に乏しいことも同感である。

とにかく、日本人の口腔状態は文字通り衰退を示しているごとは間違いないように思われるが、このPhysica1 Degenerationは何から、どうして起こるのか。

その点についても従来の口腔についての諸科学を横糸で連繋するだけではなしに、ある一点に要によって帰一、総括する口腔健康の学を起こすことこそが、またこの主題を生かす要点でもあるべきではなかろうか。

誰が、それを述べ、スタートさせるか、今後に期待したいものである。

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