「松田さ〜ん。もう、どうしたらいいのかわからない。」
「なに、なに?どうしたの?」
「彼に、子供がいた。彼、前に結婚していて、子供がいるらしい。で、今も養育費を毎月払っている。って。どうしたらいいんですか?うぇ〜ん。うぇ〜ん。」「私、騙されてたのかな?」
「実は私も妊娠はしたことあるんです。育てられないから、堕ろした。彼に話したほうがいいですか?」
「もう、なにがなんだかわからなくて。どうしたらいいのかわからないです。」
「私、彼に騙されていたんですか?彼は、元奥様のことまだ好きだから養育費払っているんですか?」
「もう、どうしたらいいんですか?」
泣きながら、一気に話してきた。
「私は、もう前の彼氏たちは好きじゃないし。彼のことも好きなのかよくわからない。
「彼とちゃんと話したらいいよ。」
と、言って電話は終わった。私がエモーションフリーでアプローチしたのは、子供のこと。おろした子供に対する罪悪感。そして、彼に対する不信感など。
次の日の朝、彼女からすぐにLINEが来た。
「松田さんと話して、スッキリして、彼とちゃんと話しが出来ました」
「彼と話したんでしょう?」
「はい。あの後すぐに、彼とは電話で話しました。嫌われたくなくて、黙ってたそーです。」
「なんか、相手は普通に話してきました。私、もっとおちゃらけて聞けたら良かったなぁ。でも、なんか怖いんです。なんだかわからないけど怖いんです。でも、乗り越えます。またダメだったら電話してもいいですか?」
「もちろん。」
「爪もまた、やっちゃったので。またお願いしてもいいですか?」
「もちろん。」
あ〜〜。彼女の爪、のびてきていたし大丈夫だと思って、フィルイン(爪にジェルが強力について、剥がれない技術)あれで、むしると、とんでもないことになる。多分、自分の爪まで、剥がしてしまっただろう。きっと、血だらけだ。痛みもそうとうあるだろうに。フィルインにしなければ良かった。と、私は自分を責めた。
しばらくして、彼女はまたネイルをしに来た。私のほうが、申し訳ない気持ちでいっぱいなのに、彼女は何度も私に誤った。
「せっかくやってもらったのに、また爪むしってしまって、ごめんなさい。」「綺麗な爪に、なれなかった。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
その後も、LINEで何度かやりとりをして、ネイルもしていたのだが、ジェルでコートしても、爪噛みはしなくなったものの、やはり剥がしたくなるのは、止められず。
結局、自分の爪もまたボロボロにしてしまうのも、止めることは出来なかった。
「松田さん、ジェル剥がすのにはまっちゃう。本当にごめんなさい。彼とはとってもいい関係です。向こうの家族にもよくしてもらっているし、すごく嬉しい。」
つづく